筑波大学デジタルデモクラシーと
政治的不平等(DDPI)プロジェクト

第1回 ICR・プレ戦略イニシアティブ共同セミナー「格差・不平等の政策的解決を目指して」

令和3年度より採択された筑波大学プレ戦略イニシアティブ「格差・不平等の政策的解決に向けた実証社会科学研究拠点」では、格差・不平等の政策的解決に向け、デジタル技術、ジェンダー、教育格差、世代格差など様々な事象をテーマとして継続的にセミナーを開催していく。

 


開催要旨

1回目は2021111日に行われ、代表者である山本英弘准教授による趣旨説明に加え、大倉沙江助教からの女性議員にまつわる問題についての講演が行われた。

山本准教授による趣旨説明では、まずは筑波大学のプレ戦略イニシアティブシステムについての概略が紹介され、続いて、本プロジェクトにおける目的として、社会に多様に存在する格差や不平等の政策的解決を目指し、実態の把握・研究、そして、そうした格差や不平等を解決するため、どのような政策形成システムが有効かを考えていくための拠点形成が掲げられた。

また、具体的なアプローチとして、今回のようなセミナーの随時開催、オープンデータベースを含むウェブサイトの構築、行政やその他団体等との積極的な外部連携などの計画が説明された。

続く講演会では大倉助教が登壇し、「女性を代表する政治:女性議員が増えると何が変わるのか?」をテーマに研究報告が行われた。

報告内容として、まずは現在の日本における女性議員の少なさやそれに対する取り組みが紹介され、それを踏まえた上で、「女性の政治参画が増えると何が変わるのか」という点についての考察がまだ不足しているのではないかという問題提起がなされた。そこで、大倉助教らによる研究プロジェクトでは、男女共同参画条例・計画制定状況や第4次男女共同参画基本計画における取組、そして議員の婚姻・妊娠・出産・育児にかかわる制度整備状況について、全国の市区町村を対象に質問紙調査を行った。そのうえで、女性議員の割合によって、政策の導入がどのように異なるのかを分析した。その結果、女性議員がいない自治体や10%未満の自治体では女性政策の導入が総じて低調であった。ただし、議員の割合が高くなるほど、より多くの女性政策が導入されるという直線的な関係はみられず、女性やジェンダー平等が関わる問題に関心のない女性議員が多いか、女性議員がまとまって力を発揮できるような環境にないとの考察がなされた。

参加者からは「今回の日本での結果を諸外国と比較した時に見えてくるものはあるか」「政治だけではなく、企業やその他の分野でも同様なことが言えるか」と言ったような質問が上げられ、活発な意見交換がなされた。


公開を終了させていただきました(2022年5月9日)。
・期間限定で公開いたします。
・無断転載を禁じます。
・商用・研究利用での引用はお控えください。


第1回ICR・プレ戦略イニシアティブ共同セミナー「格差・不平等の政策的解決を目指して」開催概要
開催日時 2021年11月1日(月)15:10~16:30
開催場所 オンライン
プログラム
  1. プレ戦略イニシアティブ 令和3年度採択課題「格差・不平等の政策的解決に向けた実証社会科学研究拠点形成」趣旨説明(山本英弘)
  2. 女性を代表する政治:女性議員が増えると何が変わるのか?(山本英弘・大倉沙江)
参加費用 無料
事前申し込み方法 終了いたしました。
お問い合わせ先 終了いたしました。